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人材・組織経営のプロとして、

ビジネスの更なる伸長に貢献する

[ HRの使命 ]

HRの使命は、ビジネス・リーダー(経営者)と共に、人材・組織・システム・カルチャーの構築によって、ビジネスの更なる伸長や競争上の優位性を創造・維持することです。 ビジネスを理解し、その目標達成のために必要な戦略を立案し、それを具体的な人事システムや人材経営上のアクションに反映させ、実行していくことを担っています。

 

[ HRの役割 ]

上記の使命を達成するために、P&GHRの役割は大きく分けると以下のようになります。

(1)「組織・個人への質の高い人事システム・サービスの提供」(「人材管理エキスパート」や「社員チャンピオン」)

(2)「ビジネスを最大化させるための人材・組織戦略の立案から実行」(「ビジネスパートナー」や「チェンジエージェント」)

P&GHRが、世界最高水準の人事 として高い評価を得ている所以も、いち早くビジネスに焦点を当てた人事の役割を担い、先進的な人材・組織に対する施策を展開してきたという点にあります。

  • P&G HRの4つの役割

 

[ HRの仕事 ]

HRの仕事は、大きく分けると、以下2つに分かれます。

(1)組織担当業務(各事業部・各部署・工場の担当人事) 

(2)コーポレート業務(採用・人材育成・労務・給与・福利厚生等の担当人事)

前者は、担当組織のビジネスのビジョン・ゴールを達成するための人材・組織戦略の立案から実行をし、後者は、P&G全体に共通する専門的な人事サービス・システムの提供を通じてビジネスへの貢献をしています。どちらの仕事でも、対象となる専門分野・担当する組織に対して、上記の4つの役割を果たしていくことが期待されています。

 

  • P&G HRの仕事

  • Business Partner ビジネスパートナー

ビジネスリーダー(経営者)の目標を達成するために、文字通り“ビジネスパートナー”として、その組織のビジネスを深く理解し、目標達成に必要な組織・人材戦略をたて、その戦略を具体的な人材経営のアクションへと結び付け、その実行をサポートする人事コンサルタント的な役割です。

 

  • Change Agent チェンジエージェント

ビジネスパートナーとして提案・構築した人材戦略を効果的に実行するため、その組織や組織に属する個人の行動の「変革」を仕掛けていく役割です。P&GHRは、「チェンジエージェント」として組織・個人の行動を決定させる要因である組織構造・タスク・意思決定・情報・人材・報酬の要素を人材経営の観点から評価/構築/再編することにより、変革を促進・実行し、新しい企業文化を創造・発展させています。

 

  • Administrative Expert 人材管理エキスパート

組織の生産性を上げるためのHRシステムを提供する役割です。具体的には、人材の採用・育成・評価・報酬などの分野でHRシステムを戦略的に開発/運営/管理しています。HRのプロとしての信用を得るのに欠かせない重要な役割です。

 

  • Employee Champion 社員チャンピオン

社員の能力・会社へのコミットメントを向上させるため、社員の意見を代表する役割です。

 

  • Diversity 多様性

P&Gは「多様性」、つまり、様々なバックグラウンド(性別・人種・民族・国籍・経歴等)を持つ人々が活躍する組織を築くことを重要視しています。なぜなら従業員の「多様性」は次のような利益をもたらすからです。

() 更なる競争優位性を獲得する

多様化する市場・顧客ニーズの多角的な深い理解

多様な組織が可能にする、型にとらわれない考え方と革新性

() 優秀な人材を獲得する

性別や国籍を問わず、多様なバックグラウンドをもつ、最も優秀な人材を引き付ける

() 社員全員が最大限の能力を発揮する

またダイバーシティの推進の為に必要な柔軟な勤務体系の提供・トレーニング・公平な人材育成など「多様性」を持つ人々が能力を最大限発揮できる環境を作る努力を続けています。

  • P&GHRが競争上の優位性を生み出すための7つのステップ
  1. 社内外のビジネス状況を理解する
  2. ビジネス目標と戦略的に合致したHRプロダクトを提供する
  3. 「変革」を仕掛ける、率先する
  4. 社員の能力・会社へのコミットメントを向上させる
  5. HRシステム、プロセス、プロジェクトを完璧に実行・実施する
  6. 企業目的、理念、価値観を擁護する
  7. HRテクニカル・スキル(採用、教育、組織デザイン、人材開発、労務、報奨制度、等)をマスターする

これらのスキルをいつ、どのように身につけていくかは一様に決まっておらず、各個人によって異なり、上司と共に計画した短・長期的な「育成計画」に基づいて、ワークショップ・OJT・自主学習(オンライン教育など)などにより身に付けていきます。

また、これらのトレーニングで使用される教材は世界共通のもので、各国のP&Gでの事例や ケーススタディも数多く含まれており、日本のみならず、グローバルに活躍できるHRマネージャーの育成を可能にしています。

P&Gに入社後、数え切れない程のトレーニングを受けてきました。P&Gは「トレーニングカンパニー」とも呼ばれ、今まで数多くの経営者やマネージャーを輩出してきました。それはP&Gに質の高いトレーニングが揃っていることはもちろんですが、そのトレーニングを自己の成長につなげるサポートシステムがあるからです。

例えば1)マネージャーと話し合って決められた各個人の「育成計画」に基づき、「必要なときに必要なスキルを学ぶことができる」ディベロップメントシステム、2)「レクチャー⇔実践」、「クラスルームオンザジョブトレーニング(OJT)」で構成され、学んだことを絶えず仕事に生かすトレーニングシステム等々が挙げられます。また、入社して驚いたことは、グローバルの第一線で活躍する高い専門性を持った社員自らがトレーナーを務め、トレーニングに参加してスキルを磨くことを仕事の一部と 捉え業務時間中に行うということです。これは外部講師を招き、トレーニングを業務時間外に行う他の企業と大きく異なる点であり、「人こそが財産である」と 掲げる、P&Gの人材育成の強い姿勢の表れであると思います。

また、事業部人事を担当してからは、トレーニングを受けるのみならず、自らトレーナーの立場になり社員に対してトレーニングを行っています。例えば、部下を持つマネージャーに対しての人材管理のトレーニングやトランジションマネジメントと呼ばれる組織・人材が大きな変化を受容し、乗り越えていくために何をすべきかを学ぶトレーニングをこれまで実施してきました。自らが学ぶだけではなく、HRのプロフェッショナルとして社員に対してトレーニングを実施し、更に自らの知識・経験を高めていくということもP&GHRで成長が加速される大きな理由の一つだと思います。

 

 

1. グローバルコミュニケーションスキル(GCS)トレーニング

私は英語がほとんど話せなかったこともあり、入社してから3週間、4-5人の少人数で毎日朝から晩まで英語のトレーニングをみっちり受けました。ネイティブスピーカーがトレーナーを務め、いわゆる聞き取りやボキャブラリーのような基礎的な英語力から、ビジネスを効率的に進めていくコミュニケーションスキルを重点的に学ぶことができました。まだまだ英語に関しては道半ばですが、会議でためらいなく発言する今の自分は、全く話せなかった当時の自分と比べ大きく変わったと実感しています。

 

2. Directorsトレーニング・トップタレントトレーニング

HRのマネージャーはリーダーの戦略的パートナーとなり、ビジネス状況を理解し、組織の変革を率先することが求められます。そういった背景から、若手の時からいわゆる役員クラスやトップタレント(次世代リーダー候補者)を対象としたトレーニングに参加し、彼らとディスカッションの中で、上記のような「センス」を磨いていくことが求められます。これは他のファンクションにはない、HRのトレーニングシステムの大きな特色のひとつです。

 

3. HR MBA1(中国・広州)

HR MBA1とは全世界の若手HRマネジャー(入社約1-5年目)を対象とした4日間のトレーニングです。MBAManaging your Business Accountの略で、ビジネスリーダーの戦略的マネージャーとなるためのHRスキルを網羅的かつ集中的に学ぶことができました。トレーナーはその分野の第一線で活躍するHRマネージャーが務め、また多くのケーススタディを使用し、インドや中国等のマネージャーと活発な議論を交わす非常に実践的なトレーニングでした。グローバルマネージャーとなるため、自分はどこに強みがあり、伸ばすべき点があるのか、ということを知る良い機会にもなりました。HR MBAは世界のHR マネージャーとネットワークを作る最高の機会でもあり、今後私がグローバルプロジェクトをリードする際には、このトレーニングで培ったネットワークを駆使しプロジェクトを進めていきたいと思います。

 

4. OPMOrganization Performance Model)カレッジ(組織戦略)

サロンプロフェッショナル人事担当になってすぐにOPMOrganization Performance Model)カレッジ(組織戦略)のトレーニングに参加しました。これは、ビジネスニーズを効率的なHRのシステムに落とし込み、カルチャー(人々の行動)の変革を促し、最終的にビジネスの結果につなげるという一連のプロセスを理解し、実践するためのトレーニングです。サロンプロフェッショナル人事の中で、当時ビジネスにいかにHRとして貢献するか悩み、苦しんでいた私にとって、目から鱗の落ちるようなトレーニングでした。ちなみにOPMの考え方はP&Gで開発され、現在コンサルティングファームによって世界の企業に提供されています。こうしたHRの最先端の知識や考え方を学ぶことができるのも、P&Gのトレーニングの魅力の一つだと思います。

 

5. C&Bカレッジ(給与・福利厚生)

HRのプロフェッショナルとなるためには、当然のことながら、「HRテクニカル・スキル(採用、教育、組織デザイン、人材開発、労務、報奨制度、等)をマスターする」ことが求められます。C&Bカレッジは給与・福利厚生について学ぶトレーニングであり、HR MBA1と同様、中国・広州にて、アジアのHRマネジャーとともに3日間集中的に学びました。トレーニングは単に給与・福利厚生のシステムやプロセスを理解するのではなく、その背景や基本理念について学び、また様々なケーススタディを通じて、理解を促進させることができました。OPMといった戦略的な人事の側面のみならず、きっちりとテクニカル・スキルを構築する機会が与えられる、こうした一連のトレーニングがHRのプロフェッショナルを育てる仕組みだと実感しています。

  • HRの中にはどのような仕事があるのでしょうか?

P&GHRの仕事を大きく2タイプに分けると、以下のようになります:

◎ 事業部・各部署・工場人事

担当組織のビジネスのビジョン・ゴールを達成するための人事的・組織的貢献を行う。

◎ コーポレート業務

採用・教育・労務等、P&Gグループ全体に共通する人事的・組織的貢献を行う。

 

この2つの人事領域を経験しながらHRのテクニカル・スキルを身につけていきます。

 

  • P&G HRでのキャリアパス

 

Manager マネージャー

  • 組織にまたがるHRシステム(採用・教育・報酬/福利厚生・労務等)の開発・導入。
  • 1つ又は2つの「人事コア業務」について専門的知識・スキルを身に付ける。

Senior Manager シニア マネージャー

  • 小~中規模なHRシステムのシステムオーナーとしてその分野のエキスパートとなる。
  • 小~中規模な「事業部・職種・サイト人事」を担当。
  • アソシエイトマネージャーに対してのコーチング、育成。

 

Director ディレクター/ Group Director グループディレクター

  • 幾つかのHRプロセスを束ねるグループのリーダー、もしくは 工場・中規模な事業部担当。
  • 自らの組織の予算管理、人材管理・育成。

Senior Director シニアディレクター

  • 1つ、或いは複数の事業所・事業部・国のHRのトップ。
  • (2つ以上の事業部或いは海外での業務を経験する。)

Vice President ヴァイス プレジデント

  • HRのトップとして大きな事業所や地域を統括する。
  • 主要なHRシステムの、世界的なエキスパート。

Senior Vice President シニア ヴァイス プレジデント / Executive Vice President エグゼクティブ  ヴァイス プレジデント

  • 地域或いは世界の事業部全体を統括するグローバルHRリーダー。
  • HRのシニアマネージャーの管理・育成。

ここでは1名のキャリアを紹介します。

1991年入社:前田 出さん

勤務年数 人事コア業務 事業部・職種・サイト人事

1年目

採用担当
新卒学生採用(主に理系・西日本地域担当)、中途採用、会社案内作成を担当。同期のゴシマ君が東日本を担当していたので、当時は「東のゴシマ教、西のマエダ教」という異名をとっていました。新人のくせに中途採用用雑誌の取材に「応募者は何がしたいのかを明確に述べて欲しいですね」と偉そうにコメントし、先輩達から非難を浴びることも(今でいう「炎上」)。とはいえ、就職先としてのP&Gの認知度が上がる基礎を作った(と信じています)。

3年目

社員教育担当
入社式、新入社員研修、社内研修カリキュラムの再構成、入社3年までの教育体系の構築を担当。阪神大震災直後の新人研修で、仮設住宅にお住まいの被災者の方々へ当社商品を無料配布するという「授業」を新入社員にしましたが、あれが今でも最高の研修科目だと思っています。

5年目

給与担当
市場調査結果に基づいて給与制度の骨格作成を担当。

6年目

明石工場人事担当
生産拠点の人事総務全般を担当。工場職社員の給与制度変更を労組と共に遂行し、他工場の閉鎖・統合プロジェクトにも関わりました。そのプロジェクトが、これまでの社会人人生の中で最も辛く厳しい経験の1つです。

10年目

日本の人事労務・組織開発担当
事業売却、事業買収に伴う組織分割・統合プロジェクトにも関わりました。会社の人事代表として他社の人事担当者と協働する初めての経験でした。
社内単一健康保険組合の確立と企業年金基金制度改革も担当し、それぞれの理事長を兼任。社会保険制度の意義や社員個人個人に向けたサービスの提供について深く意識しました。

16年目

滋賀工場人事担当
生産拠点の人事総務全般業務を担当。急務であった組織力強化に全力で取り組みました。単身赴任生活だったこともあり、四六時中仕事のことしか考えない「仕事バカ」となり、ずっと、目の前にある事象をなんでも「なぜだ?なぜこうなんだ?」と考え続ける毎日。その結果、どんな仕事をするにも予め立てるようにしていた「仮説」の精度が劇的に向上し、自分には予知能力があるのかも?と勘違いし始めました(笑)。

19年目

営業組織担当人事
日本全国を網羅する営業組織の人事全般業務を担当。前職務の「作る」組織から「売る」組織へと変わり、組織風土・社員の気質の違いに大きくショックを受けました…同じ社内でもこんなに違うのか!と。営業組織の採用、要員計画、人材育成を中心に尽力。社外と接する最も最前線の厳しさを前に自分の未熟さを痛感し、いい中年になりながら、周囲の人達から学ばせてもらうばかりの毎日でした。

22年目

アジア全域労務担当/ASEAN全域生産部門担当人事
シンガポールでの海外(単身)赴任。月の半分は出張の日々。アジア各国の生産拠点や地域本社を訪問して、現地HR・法務・渉外担当者らと労務戦略の立案や労務管理に必要な基礎力を構築するための能力評価・リスク評価研修・助言・指導に携わりました。
各国に同僚ができ、複数の外国人社員からメンターを依頼されるようになり、少しは「アジアで通用する人事マン」になったのか?と感じ始めることに。
25年目
〜現在
日本の人事労務・組織開発担当
事業売却に伴う会社分割や社内諸規則の改訂等を担当。新入社員を含む女性社員が多い同僚たちの中で完全に「父親」的な立ち位置となり戸惑っています(笑)。

このように、HRでは他の部署に比べてビジネスリーダーと仕事をする機会が多く、若いうちから経営者の視点で「人材・組織戦略」を考えることを期待されます。若いうちから経営に直結した大きな人材組織戦略を数多くリードすることができる環境のもと、各個人に相当な力と経験が備わっていきます。

  • HRの採用について

Q. HRではどのような人材を必要としていますか?

A.

P&GHRには、ビジネスリーダー(経営者)とともに「人材・組織・システム・カルチャー」を構築し、ビジネスの更なる伸長や競走上の優位性を創造・維持していく使命があります。 したがって、以下の能力を持つ人材をHRでは必要としています。

(1)ビジネスパートナーとして必要なリーダーシップやコミュニケーション能力

(2)状況・データの分析力、問題解決力

(3)自分や他者の能力をのばす力

また、専門知識については入社時から必ず必要であるというわけではありません。みなさんが現在、組織論などHRに関連のあることを学んでいれば、もちろん、入社してからその知識が役立つと思います。しかし、知識は必要に応じて入社後どんどん獲得すればよいと私達は考えています。

 

Q. HR社員の皆さんは、なぜHRを選んだのですか? 

A.

人や組織に関わる仕事に興味があったからです。前職で国家公務員だった私は、人や組織に関する・疑問をたくさん持つ機会がありました。「高い志を持った職員のモチベーションがなぜ年次が上がるにつれてかくも落ちていくのか」、「なぜ不祥事が絶えないのか」、「国民の期待に応え得る強い組織体系になっているのか」等々。そのような中、P&Gは人・組織に関してパイオニア的存在、と前職時代に聞き入社しましたが、その期待を裏切られたことは今まで一度もありません。特に日系企業が人を如何にManageするのか、に対して、P&Gでは人を如何にUnleash(潜在能力を最大に活かす)するかに重点をおいており、人・組織に対する考え方が全く違います。ここで身に付けた高度な経験を活かし、いずれは日本が今後抱える最も大きな問題となっている、人や組織を活性化できるような人材になりたいと思っています。

  • HRのキャリアについて

Q. P&GのHRマネージャーは市場からの評価が高いと聞きましたが本当でしょうか?

A.

個人差がある話ですので、一概にこうだとはいえません。ただ、ヘッドハンターからの誘いが多くのマネージャーに寄せられているのは事実でしょう。もともと、優秀な人材を厳選して採用している からという側面もありますが、ビジネスパートナーやチェンジエージェントの役割を若いうちから担うことができ、各個人に相当な力と経験が備わっていくから だと思います。

 

Q. P&GのHRで働くことの魅力は?

A.

年齢、社歴、タイトルに関わらず大きなプロジェクトと裁量権に恵まれることで、日々自分の成長ややりがいを感じながら仕事が出来ることが魅力です。20代半ばで「買収した企業の組織・人事制度統合をやって欲しい」と言われ、一人出向をした経験、約200名の工場社員をマネジメントする工場人事を任された経験等、他の企業では若いうちに経験できないことをさせてもらっています。各アサイメントでは、「自分の力で会社を変えていくこと」、逆にいえば「自分の出来不出来で会社が変わってしまうこと」の緊張感の中で仕事をして、結果をだすことが求められます。こうしたやりがいの大きな仕事を通じて得られる、知識・経験がP&GHRの最大の魅力ではないかと思っています。

2つに集約されます。

1.自他ともに認める人事のプロになれること。

入社時から徹底的に人事の仕事に携われることもさることながら、社外だけでなく社内からも「人事でしょ?」と常に問われ続ける環境では否応なしに人事マンとしての実力を問われることになります。

2.世界の人事のプロと切磋琢磨できること。

労働法・環境・慣行が異なる海外で活躍する人事のプロ(=同僚)と接する中で、自分では気づかなかったことや同僚から「日本ではどう乗り越えたのだ?参考にしたい!」などと問われる環境は、まさに「頭の体操」をする機会の宝庫であり、自分の力量を常に自覚させられることになります。

そのような中で気が付いていくのは、社会や組織の歴史や、構成する人々の成熟度や、これからの進化していく方向を振り返ったり、予測したりしちゃう自分です。つまり、より人や社会に対する関心や興味が深化します。うまく表現できないのですが、「人」を軸にした視野が広がっていく実感をもてることは大きな魅力だと思います。

Q. HRとして入社した後に他のキャリアに異動は可能ですか?その様な例はありますか?

A.

今のところ日本での前例はありませんが可能です。逆の例(例:SalesからHR)はあり、オープンジョブポスティング(社内公募制度)により、社内異動をする社員は大勢います。

職種別採用を行なっている以上、HRで入社された場合HRのキャリアにてエキスパートを目指していただくことが基本ですが、主体的に自分のキャリアをデザ インすることができるのがP&G。他の部署でのキャリアに興味を持った場合その道を切り開く手段・環境は整っています。

  • HRの仕事について

Q. 日常業務中にどの程度英語をつかいますか?

A.

読み書きに関しては、特別な場合を除き、全て英語で行われています。聞く・話すことに関してはプロジェクト或いは所属しているグループによって異なります。例えばミーティング等は1人でも日本語を母国語としない参加者がいる場合は、他の大多数が日本人であっても英語で行われますし、日本人のみである場合でも、OJTを兼ねて英語で行われる事もあります。

 

Q. HRとしての海外勤務・出張等はありますか?

A.         

ビジネスニーズに応じて 海外勤務・出張があります。一方で、昨今の社内インフラの進化により、電話会議・TV会議・ネット会議が全世界に普及しており、海外にいる同僚とのタイムリーで効率的なコンタクトを可能にしています。時差がある国を相手とする場合は、時間の調整などで苦労もあります。とは言え、顔を合わせてのコミュニケ-ションではメールや電話のやりとりのみでは得られない即答・即決性と、なにより親近感をもって仕事をすすめることができ、一体感を感じます。

P&Gジャパンで様々な経験を重ねた後、入社9年目で海外転勤となりました。現在は、シンガポール本社(アジア・ヘッド・クウォーター)にて、アジア(中国、インド除く)のベビーケア(パンパース)、ホームケア(ファブリーズ、ジョイ)等のブランド戦略を立案する事業本部のHR業務を担当しています。

海外出張は、(1) face to face で会う必要のある重要な会議、もしくは(2)研修、の二つの目的で年に45回あります。行き先はオーストラリア、ベトナム、フィリピン等です。事業部人事を担当している私は、年に一度、米国本社のシンシナティもしくは欧州本部のジュネーブで各国の事業部人事が集まる会議に参加します。集まった時はそれぞれの国の現状や課題について議論したり、成功例や学びを共有したりと限られた時間の中で大いに盛り上がります。ビジネスの話が終わった後には、メンバーで食事に行き、仕事のことはもちろんプライベートのことなども語り合います。出張のたびに各国の優秀なメンバーから刺激を受け、モチベーションが最高の状態で帰国しています。

 

Q. 未来に向けて課題となるのはどのようなことでしょうか?

A.

未来に向けた人事の課題は3つになると思います。

1.雇用形態の多様化に対応すること

「正規雇用vs.非正規雇用」という表層的な次元でなく、「どの仕事を社員がやるべきか?」という本質的な問いを戦略的に考察しなければならなくなります。

 

2.労働時間と成果の「概念」の再整理

社会がより「付加価値」を求める中、何時間かかったか(=動いたか)?ではなく、何を成したか(=働いたか)?がカギになるので、単純な労働時間や要員数を基に論じられる「生産性」ではなく、価値を生み出すスピードを問うことになると思います。

 

3.会社が社員を守り、社員が会社を守る組織風土づくり

情報発信・共有が容易になった現在、社員と会社との関係性が対等になってきていると感じます。これからはさらに会社と社員の利害をどれだけ一致させるかがより重要になると思います。

 

日本は少子高齢化社会。世界に先駆けてこれらの課題に取り組まねばならず、その取組みからの学びを必要とする諸外国が沢山あります。そのためにも日々の仕事からの学びを丁寧に蓄積していく組織が強い会社になると思います。

Case1

ビジネス事業部を担当するHRマネージャーである場合、結果を出せる組織を作るための組織戦略の策定は勿論のこと、ビジネス戦略の立案プロセスや決定した戦略を組織に落とし込んでいく作業もHRの仕事です。 さて、HRとして事業部のビジネス戦略の策定や展開プロセスに、どのように貢献することが期待されているでしょうか。

1.ビジネス戦略立案のプロセスをリードする

実際にあった例を元にP&G HR社員が何をしたのか説明します。

まずは、既存のリーダーシップチームにて期待される結果が得られるように効果的に協働しているかを査定しました。その上で、リーダーシップチーム内の議論をリードしながら、チーム全員で以下の作業を行いました。

(1) 市場、消費者、競合、自社のビジネス・組織の現状、また将来の予測などの分析 

(2) 昨年度の戦略の振り返りと、改善点や継続すべき点などの確認、合意

(3) ビジネス・組織のビジョン、グローバルのビジネス部門から期待される役割などを確認・共有

こうしたプロセスを経て大枠の戦略を決定したのち、各専門性に基づきメンバーをそれぞれの小戦略に割り振り、さらに細部を詰めていきました。各小戦略が優先順に沿って厳選されたものであり、整合性を持って互いに結びついており、かつ誰にでもわかる平易な文章で書かれている、といったポイントを議論をうまくリードしながら確実に押さえていきました。

 

2.ビジネス戦略を組織の一人一人のアクションへつなげるためのプランニング及び実行をする

次に、策定された戦略を組織に落とし込み、個人のアクションを促すために、以下をプランニングし、実行しました。

(1) ビジネス戦略を効果的に組織全体に発表・周知するための事業部ミーティングを企画・指揮する

(2) 個人レベルへの戦略の落とし込みを促進させるために、各個人と上司によるワークプランの作り込みを行うタイミングと方法を指示、上司へのコーチングを行う

(3) 四半期ごとに事業部ミーティングをビジネスリーダーと共に実施し、戦略に基づくビジネスの進捗状況の共有、来四半期に向けての意思の統一を図る

(4) 定期的に上司への働きかけを通じて、各個人のアクションプランの達成度を確認、必要に応じて個別のフォローアップを行う 

事業部として優れたビジネスの結果を出すために、「社員が戦略を正しく理解していること」は「正しい戦略が作られていること」と同等、もしくはそれ以上に大切なことです。なぜならば、ビジネスの結果を生みだすのは一人ひとりの社員の行動だからです。絵にかいた餅である戦略が社員の具体的な行動に反映されて初めて、戦略に描かれた結果がもたらされるのです。

社員個人の行動と会社全体の戦略を一本の線で結ぶためには、こうしたプロセスを型どおりに回すだけでは足りません。状況に応じたリーダーシップを発揮しながら、熱意をもってビジネスリーダーやラインマネージャーたちに働きかけ、巻き込み、動かしていくことこそがHRに期待されています。

Case2

 世界一厳しい消費者だと言われる日本人。その日本マーケットの中でP&Gは業績を伸ばしているにも関わらず、そこで培ったノウハウを生かし海外のリーダーポジションに就き活躍する日本人社員の数は、他のアジア諸国より比較的少ないという問題がありました。P&G全体のビジネスニーズとして、アジアやグローバルの舞台で活躍できる日本人リーダーを輩出することが期待されている中、HRとしてどのように人材育成に取り組めばよいでしょうか。            

ターゲットとなる社員を特定し、彼らが抱えている“改善すべき点”を明確にした上で、学びや気付きを与えるだけでなく“実際の行動を起こす”ところまでをサポートする15か月に渡るトレーニング・プログラムを企画・立案・実行しました。 

1.現状分析通じて改善すべき点とその根本原因を突き止める

まずターゲットを次世代のリーダーとなるべき課長層の社員に絞り、現状分析を徹底しました。日本の経営陣、アジア・グローバル各国のリーダーたち、課長層社員の上司、そして当事者である課長層社員を対象にインタビューを繰り返し、理想と現実のギャップを行動レベルで特定しました。同時に、そうした特定の行動の背景にある文化的価値観を理解することにも努め、根本原因を絞り込んでいき、最終的に測定可能かつトレーニングを通じて育成可能な3つのエリアに対して集中することに決めました。

2.目的を達成できるようなトレーニングを企画・立案・実行していく

トレーニングをデザインしていく段階では、スキルやノウハウを教えること以上に「いかにして参加者の行動を変えていくか」という点に主眼を置いて作り込んでいきました。ケーススタディやワークショップといった体験型のコンテンツに加えて、プレ・ワーク(予習)とポスト・ワーク(復習)を通じて包括的に行動変容を促しました。具体的には、参加前に上司と面談を持たせ、向上させるべき能力とその能力を実践すべき具体的な仕事内容について合意させ、参加後には学びを現場で活かすために取るべき具体的な行動を上司に対して説明し約束させる、といったことを厳しい管理のもと実施しました。また、各社員が上司とワークプランの進捗を確認する四半期ごとの機会を利用し、当該の能力をいかに向上・発揮しているかについての進捗状況も合わせてチェックすることで、現実に即した能力開発・技能修得が継続されるようにしていきました。これらの施策を15カ月という比較的長期にわたって繰り返すことで、行動を変容させるという非常に難しい課題を達成していきました。 

結果、ほぼすべての参加者が問題点を改善し行動を変容させることができたと報告しているだけでなく、実際にアジア・グローバルの舞台で高く評価されている日本人の数を順調に増やすことに貢献してきました。また、トレーニング自体も参加者から非常に高い評価を受け、アジア各国にも輸出され各地で応用・展開されています。

採用や教育といったコアの人事施策も常にビジネス目標やニーズに基づき、その達成のためにデザインされなければなりません。その上で、高い専門性や知識を活かして最も効果的な方法(HOW)を考えることで、ビジネスに付加価値を生み出すHRプロダクトを提供することが可能になります。